ヨシミカタヒラ
1974年、日本の東京に生まれ。
私の独学のアーティストとしての歩みは、少し独特なものです。
19歳のとき、漫画家のアシスタントとして働き始め、その後、漫画家兼フリーのイラストレーターとして活動するようになりました。しかし、プロの漫画業界で7年間働いた後、健康上の理由で筆を置かざるを得なくなりますが、この出来事が新たな経験へとつながりました。
会社員、アパレル販売員、飲食業など、さまざまな仕事を経て、バックパッカーとして世界を旅する機会を得ます。多くの国を訪れる中で、「いつかここに住んでみたい」と強く惹かれたのがフランスでした。
28歳のとき、新しいことに挑戦するため、日本の大学に入学しフランス語を学びました。
2007年にはフランス文学の知識を深めるため、パリの大学へ留学します。本来なら学業を終えた後に日本へ戻る予定でしたが、ある出来事がその計画を大きく変えました。
2011年、東日本大震災が発生。この震災で家族の一部を失い、深い悲しみに襲われます。心を保つため、パリで被災者支援のチャリティーイベントに参加。その場で友人からの要望を受け、フランスの子どもたち向けに漫画のワークショップを開きました。
このことをきっかけに、12年もの間離れていた創作活動を再開します。
2012年から2023年にかけて、フランス国内およびフランス語圏の国々で漫画のワークショップを開催し、原画の展示にも参加。同時に、日本の昔話や神話を題材にしたイラストプロジェクトを立ち上げます。
10年以上にわたるフランスでの活動を通じて、自分のアイデンティティを考える中で、「絶対に存在するのに目に見えないものを表現する」という発想へとたどり着きました。
2024年からは、新たな芸術の世界―抽象画の分野へと歩みを進めています。