2012年〜2024年、フランスでの出版歴
- Yoshimi Katahira
- Jun 3
- 2 min read
フランスでのもう一つの活動、「出版」についてご紹介したいと思います。
ワークショップを開催したり展覧会に参加したりした後、フランスの雑誌で初めて自分のマンガを発表する機会に恵まれました。
そのときに選んだテーマは「パリの日本人女性」。


出版をきっかけに、「これを一冊の本にまとめてみてもいいのでは?」と思うようになりました。
私はこの企画をBD・マンガを手がける大手出版社に送り、そのうち2社から前向きな返事をいただきました。
編集者の方々とお話をし、とても勉強になり学ぶことが多かったのですが、最終的に出版契約を結ぶには至りませんでした。
そこで一度立ち止まり、ワークショップや講座、展示活動に注力することにしたのです。
多くのマンガの物語やキャラクターのルーツでもある昔話や古事記を展示作品のテーマとして作成していく中で、個人や企業、イベント主催者などから、Web漫画やイラストの制作依頼も舞い込むようになりました。

2021年には5つの日本の昔話を描いたオリジナル作品を、イル=ド=フランスのバルビゾンにあるアートギャラリー「Galerie l’Angélus – New Art」で展示しました。

そのとき、出版社AKINOMEのステファニーさんとエマニュエルさんが展示を見に来てくださり、数週間後に「これらを一冊にまとめて出版しませんか?」と連絡をいただきました。
こうして2022年、私の初めての著書『おはなし ― 日本の昔話5選』がからAKINOME社から出版されたのです。

嬉しいことに、『おはなし』は多くの方に手に取っていただき、重版されることになりました。
その勢いを受けて、AKINOME社から2冊目の企画をご提案いただきました。

そして2年後、『妖怪 ― 日本の不思議な生きものたち』という、妖怪たちにフォーカスした本を出版しました。

この本では私のイラストと短い物語を通して、今もなお日本の文化の中に生き続けている10種類ほどの妖怪を紹介しています。
現在もこの2冊は、フランス各地の見本市や書店で流通しています。

私にとってこれらは単なる書籍ではなく、文化をつなぐ架け橋であり、自分の芸術的な道のり、過去と現在をつなぐ証でもあるのです。